最近、中学生や高校生のお子さんを持つ親御さんから「進学や就職、どう選べばよいか分からない」という相談を受ける機会が増えてきました。
子どもにとっての進路選択は、その後の人生に大きく影響する大事な決断です。
けれど、「何を基準に選べばいいのか分からない」というのが本音ではないでしょうか。
そこで今回は、進路の選び方について「目標がある人」「まだ決まっていない人」それぞれの視点からヒントをお伝えします。
最後に、親御さんへのメッセージも添えていますので、ぜひ一緒にご覧ください。
1. 明確な目標がある人は、そこから逆算しよう
進学や就職を考えるとき、すでに「こうなりたい!」という目標がある人はとても恵まれています。
たとえば私自身、学生時代は「陸上競技でオリンピックを目指したい」という明確な夢がありました。
だからこそ、
– 高校は、競技環境が整っていて実績がある学校を選び、
– 大学も、より高いレベルで競技ができるところを選びました。
目標がはっきりしていれば、選択に迷いがなくなります。
自分が進みたい未来から逆算して「今、どの道を選ぶべきか」を考えることで、進路はぐっと明確になります。
2.やりたいことが決まっていない人は、「選択肢を広げる道」を選ぼう
一方で、「まだ何がしたいのか分からない」「将来のイメージがつかない」という人も多いでしょう。
そんなときは、まず「選択肢を狭めないこと」を大切にしてみてください。
【進路選択の軸】目的別・進路の考え方
目的・興味 | おすすめの進路 | 将来の方向性 |
---|---|---|
スポーツで上を目指したい | スポーツ強豪校、体育系大学 | プロ選手、指導者、教育関係など |
手に職をつけたい | 工業・商業系高校、専門学校 | 技術職、資格職(整備士・会計など) |
まだ決まっていない | 普通科→総合大学 | 文系・理系問わず幅広く対応 |
ITや動画に興味あり | 情報科、デザイン系大学 | Web系、動画編集、SNS運用など |
3. 時代の変化に対応するために、複数の選択肢を持とう
これからの時代は、「一つの仕事に一生を捧げる」時代ではなくなってきています。
技術の進化や社会の変化によって、10年後には今ある職業の一部がなくなっているかもしれません。
【職業の変化】20年前と今の職業の違い
20年前の人気職業 | 現在の新しい職業例 |
公務員・営業・教師 | YouTuber・VTuber・フリー編集者 |
銀行・保険営業 | SNSマーケター・アプリ開発者 |
テレビ・新聞記者 | インフルエンサー・noteライター |
新しい働き方が次々と生まれる今、一つのスキルに頼るのではなく、複数のスキルを持っておくことが大切です。 それが結果的に、リスクヘッジにもなります。
4.親として:子どもの進路に“正解”はありません。だからこそ、見守る姿勢を大切に。
最後に、親御さんにお伝えしたいことがあります。
これは私自身、小学校5年生の息子を持つ父親としても考えています。
進学・就職は子どもにとって大きな人生の分岐点ですが、そこに影響を与えるのは親の言葉や態度です。
ただ、親ができることは「導くこと」ではなく、「見守ること」だと私は思っています。
なぜなら、私たち大人が語れるのは、自分たちが経験してきた世界の話に限られるからです。 でも、時代は大きく変わっています。
-
私たちの若い頃にはなかった仕事が、今では当たり前になっています。
-
これからさらに新しい働き方や生き方が増えていきます。
だからこそ、「そんなの無理だよ」と否定する前に、「どうしてそう思うの?」「何をしたいの?」と耳を傾けてみてください。
もちろん、親御さんの社会経験は子どもにとって大切な財産でもあります。
その経験をもとに、現実的な視点からリスクを伝えたり、方向性を一緒に考えたりすることも必要です。
ただ、そんなときも、“選択を奪う”のではなく、“選択を支える”スタンスをもっていたいものです。
【親の関わり方チェックリスト】
チェック項目 | チェック欄 |
子どもの話を最後まで聞いている | □ |
自分の経験だけで判断していない | □ |
「なんでそれがしたいの?」と質問している | □ |
リスクも一緒に考え、提案できている | □ |
否定ではなく、「応援する姿勢」を見せている | □ |
「正解がない時代」だからこそ、子ども自身が考えて決めていく力が求められています。
その力を育むために、まずは「見守る勇気」を持っていただけたら。